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2013年12月1日日曜日

あなたの知らない薄毛の世界

11:21


会社を起ちあげた8年前、私にはまだたくさんの髪の毛があった。
年もとり苦労もしたせいか、今ではかなり黄昏れた状態である。
どのくらい黄昏れているかといえば、現在のところ、おおよそ竹中直人レベルである。
髪の毛が薄くなった事で恥ずかしいと思ったことはない。
ときっぱり言い切りたいところだが、実はそうでもなく、個性を尊重されない日本的教育を受けてきた弊害だろうか、容姿が他の男性と異なるという事で、やはり、人の目や顔色が気にはなるのだ。

調べてみると「世界薄毛ランキング」では、26.78%で日本人男性の4人に1人は薄毛であるらしい。
http://www.nikkei.com/article/DGXBZO34395710Q1A830C1000000/?dg=1

どこからが薄毛なのかの基準は記されていないが、アデランスが各地に専門の調査員を派遣し、男性の通行人を肉眼で判定して薄毛率を調べたものなので、その目は確かであろう。そんな「4人に1人」に選ばれし者である私だが、薄毛であることで困ることがいくつかある。



あまりにも少ない髪型の選択肢


私のように前頭部から頭頂部にかけて薄くなっている場合、髪型の選択肢は驚くほど少ない。丸刈りの一択である。
しかし、Wikipedia「ハゲ」の項に以下のような記載があった。

Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%82%B2
禿げはじめた男性が頭髪を丸刈りにして禿げていることを誤魔化そうとする例が散見されるが、髪の残った部分が再び伸びはじめると毛根が消失している部分との差異が際立ち禿げていることがはっきりするため、あまり有効な手段であるとはいえない。

まず、誤魔化してません!と強く訴えたい。
どうなるものかと一度伸ばしたみたが、至極当然、両脇だけ伸びて真ん中はスカスカという状態になった。
まるで落武者のようである。
鏡を見た本人が気味悪く思うくらいだから、見知らぬ人が見た場合の不気味さは相当なものになると思う。
薄毛の人の丸刈り率が高いのは、メンテンスの問題と清潔感を醸す為、また周りの人に不快な思いをさせない薄毛の人なりの心配りなのである。



気まずくなる場所、それは床屋さん


スタンプカードの問題


横須賀に越してから、私には馴染みの床屋さんがある。
ここでは、毎回散髪のたびに髪型の説明をしなくていいように、どういうヘアスタイルにするかが記されているスタンプカードを渡される。
私も昨年の7月にこのカードを渡された。
多くの床屋さんや美容室で採用されている便利なシステムなのだろう。
しかし、この便利なシステムの盲点を突く出来事が薄毛の私には襲いかかっているのである。
昨年の7月に作られたカードに記された髪型が、薄毛の進行が思いの外早い現在の私には実現不可能なものになってしまっているのである。
席につく→店員さんがカードを見る→私の頭頂部を見る→店員さん困惑する
結局、困惑した店員さんに「今日はどういうふうにしましょうか?」と毎回聞かれる始末である。
スタンプ欄は18もあり、毎月通ったとしても貯まるまでに18ヶ月かかる計算だ。
髪型の説明をしなくていいようにと作られたシステムであるが、薄毛の私の場合、あと8回、切ない思いをしなければならないのである。



施術時間について


通常40分程度かかる施術時間が、薄毛である私の場合、髭剃りシャンプーを入れても約20分程度で終わってしまう。
切る時間もそうだが、蒸タオルで髪の毛を湿らせる時間やドライヤーの時間は、今の私にはもはや不要である。
通常の方に比べ、理容師さんの負担は軽減されており、日がな一日立ちっぱなしな理容師さんにさぞや喜ばれているだろうと自負していたのだが、様子を見ているとそうでもないようである。なんというか、手持ち無沙汰というか、かかる時間が短いと申し訳なく思うのか、余計な事で時間を引き延ばそうとしているきらいが見て取れるのだ。
これは私の通う床屋さんに限った話ではなく、システム関連やWEB業界でも同じ傾向があるのだが、時間が短い=簡単=価値が低い=その割には高くね?的に思われないような自己防衛能力が働いているように感じられる。
マッサージが入念だったり、髭剃り前後の蒸タオルが顔に乗っている時間が明らかに長いのは作為的なものを感じざるをえない。1000円の床屋さんに乗り換えるつもりはないので、気遣いは無用である。



帽子に隠された真実を暴こうとする人達との戦い


私は薄毛になるのとほぼ同時期に帽子を愛用しはじめたのだが、いざ帽子を被ってみると、薄毛を隠すために帽子を被っていると誤解している人が実に多い事に驚く。

Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%82%B2
ハゲはじめは男性にとって恥ずかしく感じられることが多い。それを目立たなくするために髪型などを工夫すると「ハゲ隠し」と笑われることがある。しかし、いよいよ禿げてしまえば開き直るより仕方ないと考え、ハゲを自慢する方向に転じる場合もある。

まず、この場を借りて言いたいのは、私が帽子を被る目的は、頭部を保護し、相手に気を使わせない為の苦肉の策であり、結果として薄毛も隠していると言う点である。
効果効用は同じでも目的が違うのである。
髪の毛が無いが故、夏は暑く冬は寒い。そして、雨にも敏感になるし、猫を飼っている我家の場合は、夜中に走り回っている猫達の爪の餌食にならないとも限らないのだ。
だから、冬場は家にいても帽子を被るし、夜寝ている時もサンタのようなナイトキャップを被っている。寒いからしょうがないのだ。
薄毛を隠すために帽子を被っていると思われるのは甚だ心外である。



根本は薄毛の人に対する誤解


いろいろ考えてみると、世の中の多くの、特に若い人は、「髪の毛の薄い人は、薄毛であることを恥ずかしく思っている」と言う誤解がある。
まぁ、「恥ずかしい」と感じる人が多いからこそ、カツラやら植毛のニーズがあるのだろうが、これはあくまでも「髪の毛があれば若々しく見られ、女性からもモテモテ」と錯覚した極一部の人たちの話である。後ろにある髪の毛を前に持ってきて頭皮を隠す独特のヘアースタイルにしているご同輩も見かけるが、これも同様だろう。
多くの薄毛の人はカツラも植毛も行わず運命だと諦めて真っ当に生きているのが現状である。
薄毛の人すべてが「恥ずかしく思っている」訳ではないことを是非ともご理解いただきたい。


※文中、「薄毛」と表記されている部分は、「禿げ」と読み替えて頂いて何ら問題はありません。


 
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